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10.8 : 負の制御分子

正の制御因子は、細胞が細胞周期のチェックポイントを通過して次の段階に進めるようにします。負の制御因子も同様に重要な役割を担っており、細胞が特定の条件を満たすまで、細胞周期の進行を停止させたり、一時的に停止させたりします。

最もよく知られている負の制御因子は、p53、p21、および網膜芽細胞腫タンパク質(Rb)の3つです。これらのタンパク質の役割は、複製が制御されていない細胞(すなわち、がん)で欠陥のあるコピーが発見された後に見出されました。これらのタンパク質は、細胞周期の初期段階であるG1チェックポイントで、その制御効果のほとんどを発揮します。

P53は、細胞が分裂するかどうかに大きく影響します。DNAに損傷があると、細胞周期を停止し、損傷を修復する酵素を呼び出します。DNAの損傷が修復不可能な場合、p53はアポトーシス(細胞死)を誘導することで、細胞が細胞周期を進むのを阻止します。

p53が増加するとp21が産生され、CDK/サイクリン複合体に結合してその正の制御作用を阻害することにより、細胞周期のG1期からS期への移行を阻止します

Rbは、主に細胞の大きさに応じて、異なる正の調節因子に作用することで、細胞周期に対する負の制御因子として働きます。活性化した(脱リン酸化された)Rbは、転写因子に結合し、遺伝子の転写の開始を妨げ、その結果、タンパク質の産生を妨げます

Rbが転写因子E2Fと結合すると、G1期からS期への移行に必要なタンパク質の合成を阻害します。細胞が大きくなるにつれて、Rbは徐々にリン酸化されることで不活性化され、E2Fから離れます。その結果、E2Fは次の細胞周期の段階に進むために必要なタンパク質を生成する遺伝子を活性化可能になります。

タグ

Negative Regulator MoleculesProteinsCell CycleReplicationDNA DamageP53CDK InhibitorApoptosisRetinoblastoma Protein RbTranscription FactorsCell Cycle CheckpointsProgressionCriteriaP21

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